自担似と寝るのはダメ、ゼッタイ
自担。
それはアイデンティティにすらなる概念。
男のアイドルヲタクが用いる「推しメン」とは深さが違う、女特有の表現。
ジャニヲタが最も応援し好きであるタレントのことを指す言葉。
担当する、だなんて重いね。それは「半ば恋愛対象として」好きな場合もあれば、「タレント性を認めて応援していたい」場合もあれば、「息子のようで愛しい」場合もある。感情の種類は数あれど、最も優先順位が高いという意味は共通だろう。例えば亀梨がその対象の場合、「亀担です」と名乗るというわけ。
私も例にもれずジャニヲタです。
ファンクラブには入らない、CDは買わない、コンサートは行っても年に一回という酷いレベルですが、心の支えになっている「自担」がひとりいるのは同じ。
もっとも、歌も演技もダンスもトークも下手なので演者としてはまだ認めていないし、成人はしているけれど年下でかなり幼いように見受けられるので、彼にうつつを抜かしているわけではまったくない。でも、なんで好きなのかはわからないけれど好き、それほど強く胸を引っ張っていました。
そんな私に変化が訪れます。最近ではないですが、その自担に容姿も性格もよく似ている人と寝てしまったのです。
それについては後悔はしていません。むしろそうなってよかったと思っています。信頼関係が築けている絆があるので。
好きなタレントに良く似ている人と寝る。
普通に考えればかなり美味しいシチュエーションであるはず。実際に無意識に、リアルに好きな人とタレントを重ねて、そのタレントを見つめていたこともたくさんある。
でも、私にとって自担の彼はそうではない。
せっかく、誘惑に負けてポスターも買ってしまったというのに、貼れないんです。
彼の中に彼だけを見ていたかったのに、思い出してしまう、ちらついてしまうのです。ああよく似ているなあと。
どちらか、もしくはどちらにも恋をしていればきっとうっとりできた。
することは将来あるかもしれない。でも今はそうではない。
いや、もし恋をしていたとしても、純粋に個人のことを見れなくなってしまうのはつらいこと。
自担が唯一無二の特別な存在であるならば、自担似の人には慎重になること。こんな教訓を得たのです。
普通喜ぶのにね。まったく私の性癖はやっかいです。